木のうた

イエラ・マリ／作　 | ほるぷ出版

初めて手にした時、びっくりして
絵本を子どものものだなんて思っていて
ごめんなさいと思った絵本です。
絵本は身近なアート作品でもあるのだなと
デザインの視点で絵本を見たはじまりの１冊です。

１本の木を巡って、四季の移り変わりを

絵の力だけで表現した作品です。
大きくそびえる１本の木の構図はそのまま

定点観測の写真のように
春、夏、秋、冬と時間の経過を

絵の力で存分に表現しています。
字のない絵本だからこそ、絵の繊細さ

細かな動きがより伝わります。
作者のイエラ・マリは

イタリア出身のグラフィックデザイナーで
「あかいふうせん」「りんごとちょう」など

アートとしても科学の視点を取り入れた知識絵本としても

楽しめる作品を残しています。

「芸術」と言うとちょっと敷居が高いかもしれませんが
「綺麗なもの」「心動くもの」に触れる機会というのを
絵本を通じて作ってみてはいかがでしょうか。
創造力、芸術性、驚き、発見
絵本はいろんな素晴らしさに満ちあふれていると思います。